essay

たったひとりのパラレルワールド、あるいは音楽の効用について

年末年始のテレビはどのチャンネルでも専用の特集番組が組まれている。いろんなチャンネルがあるのに毎年決まったものしか見ていないことに気付いたのは、きっとSNSを始めてからのことだった。見たこともない番組について楽しそうに話す声が、その番組を毎年見るのが当たり前であるかのような声が液...

appreciation-etc

遠い水、神義論と対峙する「私」ーー服部真里子『行け広野へと』について

 わたしが来たのは地上に平和をもたらすためだと思ってはならない。平和ではなく、剣をもたらすために来たのだ。 (マタイ福音書10章34節) ○経緯  2015年9月20日に開催された歌集『行け広野へと』(服部真里子)批評会では後半の会場発言の時間、この歌集について筆者もコメントさせ...

appreciation-etc

たとえば、「アイ」について

 ーーすべての善き翻訳は「創作」である。  (萩原朔太郎「詩の翻訳について」より)  (初出・ 2015 - 01 - 18 )

fiction

セラフィールドの人魚

 こう風が強いと、屋根の下にいても嫌な気分になるもんだな。もう一杯くれないか。  本当はこの時期、船を出せばニシンはうなるほど獲れるんだ。灰色の海に広げた網を投げれば銀色のニシン達が窓を叩く雨粒みたいに、一斉に飛び込んでくる。ガキにだって出来らあな。  なあ。お前にだけはこっそり...

profile

Profile

〇管理者 穂崎円(ほさき まどか)  2012年作歌開始。 連絡先:mondekind0102☆gmail.com (☆→@) 主な作品: 〇詩歌 ◎歌集(単著) 第一歌集「 オメラスへ行く 」(2025.9、典々堂) 「 ヴァーチャル・リアリティー・ボックス 」(私家版歌集) ...