密造酒分けあうごとく冷暗のライブハウスの扉は重く
揮発してゆくものなべて美しく歌い手の見た遠い中空
身体より混ざりあうこと容易くてたましいよりも声はたましい
背負い続けた羽の名残の肉塊をしずかにおろし歌ははじまる
砂浜のように照らされステージはそのまま 代わりの人生はない
立ちながら楽器は眠りそののちはひとの領域となる終演
のぼりだす冬の星座に目を伏せてオメラスを去りオメラスへ入る
(初出・『祭の跡に』武田ひか・編 2022年5月頒布開始)
なお、歌の構成は初出から一部入れ替えている。
密造酒分けあうごとく冷暗のライブハウスの扉は重く
揮発してゆくものなべて美しく歌い手の見た遠い中空
身体より混ざりあうこと容易くてたましいよりも声はたましい
背負い続けた羽の名残の肉塊をしずかにおろし歌ははじまる
砂浜のように照らされステージはそのまま 代わりの人生はない
立ちながら楽器は眠りそののちはひとの領域となる終演
のぼりだす冬の星座に目を伏せてオメラスを去りオメラスへ入る
(初出・『祭の跡に』武田ひか・編 2022年5月頒布開始)
なお、歌の構成は初出から一部入れ替えている。