リーディング、または小さな石の愛で方について
……その小さい緑の古宝玉は(中略)而して時と処とわたしの気分の相違により、ある時は桐の花の淡い匂を反射し、また草わかばの淡緑にも映り、或はあるかなきかの刺のあとから赤い血の一滴をすら点ぜられる。(北原白秋「桐の花」より) 「#リプライされたCPのイメ短歌イメ俳句をツイートす...
Fair is foul, and foul is fair――佐々木紺の透視する目(第十三回北斗賞 佐々木紺『おぼえて、わすれる』を読む)
Fair is foul, and foul is fair: Hover through the fog and filthy air. きれいは汚い、汚いはきれい。 飛んで行こう、よどんだ空気と霧の中。 “Macbeth” Act1,Scene1 A desert place...
(記録)「短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために」、及びそれに関する短歌研究社とのやりとり等について
2019年から2022年にかけての高松霞さんによるプロジェクト「短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために」、及びそれに関する短歌研究社と高松さんとのやりとり等について、後年の検証用にまとめました。 以下は全て、2023年2月1日現在、 オンラインで収集できる情報によるものです...
メタフィクションによる「あなた」への一撃――小松岬「しふくの時」について
「しふくの時」(作者:小松岬)は第65回短歌研究新人賞候補作品である。30首からなる短歌連作であるが、短歌研究2022年7月号には一部の歌のみ抜粋して掲載(抄録)された。同賞の選考委員は加藤次郎、斉藤斎藤、栗木京子、米川千嘉子の4名、またこの時の大賞はショージサキによる連作「Li...
まぎれて生きる・ちょっと遠くからの距離――松本てふこ『汗の果実』について(読書会発言メモ)
1.きみともあなたとも呼ばないひとへのエール 花は葉にまたねとうまく笑はねば (p16) 問ひかける言葉ばかりの賀状書く (p36) 飛花落花名を呼ぶといふ激励も (p76) 雪道を撮れば逢ひたくなつてをり (p119) 励まされつつマフラーを巻かれつつ (p145) ...
美とエゴとの往復運動の間に――鷺沢朱理『ラプソディーとセレナーデ』感想
「さやうでございまする。私は総じて、見たものでなければ描けませぬ。よし描けても、得心が参りませぬ。それでは描けぬも同じ事でございませぬか。」 芥川龍之介『地獄変』 より この文章の概要: 鷺沢朱理の歌集『ラプソディーとセレナ...
「コーポみさき」は小説化できるか ーー短歌と小説の叙述について
※この記事は角川短歌2018年11月号掲載の短歌連作及び第64回角川短歌賞選考座談会の内容を一部引用しています。 (初出・2018-11-07)
遠い水、神義論と対峙する「私」ーー服部真里子『行け広野へと』について
わたしが来たのは地上に平和をもたらすためだと思ってはならない。平和ではなく、剣をもたらすために来たのだ。 (マタイ福音書10章34節) ○経緯 2015年9月20日に開催された歌集『行け広野へと』(服部真里子)批評会では後半の会場発言の時間、この歌集について筆者もコメントさせ...