重い雪 (文学イベント北陸短編集寄稿)

2025年6月5日木曜日

tanka

 除雪車の風の気配に目覚めれば無人の道に雪は踊って

ニット帽まぶたのようにのしかかりあなたのいない視界はしずか

海鮮に上がる歓声 チャンネルを変えても変えても光ばかりだ

傘の芯腕で殴れば傘布をゆっくりずれていく重い雪

信号が青になるまでだけでいい(電柱のスコップは雪かき用です)


※2025.1.19に開催された文学イベント北陸開催記念アンソロジー・文学イベント北陸短編集で金獅子賞、アンソロジーに掲載。

※応募作品はnote掲載が条件だったため、noteに掲載したものを転載している。