(記録)「短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために」、及びそれに関する短歌研究社とのやりとり等について

2023年2月1日水曜日

appreciation-etc

2019年から2022年にかけての高松霞さんによるプロジェクト「短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために」、及びそれに関する短歌研究社と高松さんとのやりとり等について、後年の検証用にまとめました。

以下は全て、2023年2月1日現在、オンラインで収集できる情報によるものです。本件に関するSNSでの発言は多々ありますが(わたし自身もこの件についてはSNSで複数回発言しています)、ここでは主に、短歌をつくる人が経緯を追うために必要と判断したものを引いています。高松さんのTweetも、活動に関するすべての関係Tweetを網羅したものではありません。
(そもそも高松霞さんは連句をされており、歌人ではありません。) 
オンラインに関連情報があるものはリンクを貼っていますが、関係者のtweetについてはTwitter自体、今後いつまで存続するか不明であることからテキストをコピーしています。 また短歌研究の2023年4月号特集については現時点で未刊行、ハラスメントの体験談に関するアンケートを実施中ですが、雑誌・短歌研究は公刊物であり、内容や反響なども追いやすいと思われるため、本記事に追記はしません。 

なお本記事の引用について、本人以外からの削除依頼は受け付けません。事実誤認等による修正を行った場合は修正履歴を記載します。


いつか、誰かのお役に立てば幸いです。



2019年

3月 
高松霞さん個人によるプロジェクト「短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために」開始。
ネット調査「短歌・俳句・連句の会でのセクハラ体験談」を行う(~2021年)。最終的に2年間で10代から50代まで、合計110件の体験談と感想が寄せられる。


10月~ 
寄せられた体験談の紹介をオンラインで開始。
ジェンダー法学者・山本千晶准教授による体験談へのコメントと併せ、全6回の記事を掲載。
 ※一部ショッキングな内容が含まれます

なお体験談の個人情報の扱いについては、第2回(12月掲載)時点で以下の通り記載。

「いただいたご感想・体験談は、個人が特定できないよう編集した上で、今後の活動で公開する場合があります。今後の活動に反映するため、結社名、個人名など書いてくださって構いません。編集前の投稿は高松のみが拝見します。」

 ※一部ショッキングな内容が含まれます



2021年

12月 
高松霞さん発起人「短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために」プロジェクトチーム(メンバー8名)によるクラウドファンディング開始。
クラウドファンディングの目的は以下3点。

・ネット調査で寄せられた110件の体験談と感想をまとめた「報告書」を作成する。
・年鑑に掲載されている短詩結社に、セクハラを許さない姿勢を書面で示し専門窓口を作ることを求める「要望書」を作成、「報告書」と併せて送付する。
・ジェンダー法学者・山本千晶准教授監修によるパンフレット(冊子「短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために」)を作成、「報告書」「要望書」とともに送付する。

スタートから3日で目標金額30万を達成、ネクストゴール40万達成。120人から計437000円が集まる。




2022年

3月18日 
「短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために」プロジェクトチームから各短詩結社へ、要望書、報告書、パンフレットの3点を送付。
併せて短歌研究社を含む20団体にプレスリリースを実施。
 ・要望書への回答期限は2022年6月22日。
 ・セクハラ体験談は投稿者ひとりひとりに連絡を取り、許諾を得られたもののみ報告書に掲載。
 ・各団体の回答はnoteで公表すること、期限内に返信がない場合は「回答なし」と記載する旨を記載。

要望書→ https://note.com/kasumitkmt/n/ncb50f7921bda (2022年11月7日掲載)
 

5月~ 
パンフレット「短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために」一般販売開始。



5月24日
プレスリリースを受けメールで連絡があった「ふらんす」堂へのインタビュー記事掲載。



6月19日 
「短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために」プロジェクト要望書の回答〆切について、6月22日から7月22日に延期。各団体にはその旨を葉書で通達。



6月21日
短歌研究7月号発売。第65回短歌研究新人賞及び選考座談会が掲載される。


6月22日
丹花ヨムさんによるtweet。

(短歌研究7月号掲載の、第65回短歌研究新人賞選考座談会における選考委員の斉藤斎藤氏の発言について、短歌研究の誌面1ページの画像を添付の上Twitterで言及。(2023年2月現在は削除))

この件について斉藤斎藤さんと今夜19時からスペースでお話しすることになりました。皆さんから斉藤斎藤さんに質問したいことなどありましたら、代わりにお伺いしようと思いますので、リプでもDMでもメッセージください。」(午後3:17)

「短歌研究さん @tankakenkyu にお電話して「LGBTQ allyの社会的な流れや、三大新人賞の誌面で見る応募作にクィア文学の数が増えていると思うが、フェミニズムや『女性の生きづらさ』をテーマにするのは安牌というのは雑誌としての意見なのか」と質問しました。編集長が不在とのことで折り返し待ちです。」(午後5:28)

斉藤斎藤さんからのご提案で今夜スペースをすることになったのですが、斉藤さんから先程スペースはやっぱりやらないとご連絡がありました。お時間を調整してくださった方々には申し訳ありません。関心を持たれていた皆様に届くようRTをお願いいたします。」(午後6:18)

短歌研究社によるTweet。
(丹花ヨムさんから斉藤斎藤さんへの引用rtによるリプライを、更に引用rtする形でTweet)

「短歌研究編集長の國兼です。編集部にお電話いただいたことは聞きました。そのときに編集部員から、誌面をそのまま撮影してSNSにあげるのはやめていただきたいと申し上げたと聞いております。すみやかに削除していただくようお願いします。」(午後10:46)


※斉藤氏の発言について、オンラインでは濱松哲朗によるコラム「奪うな」に、前後の経緯含め引用されている。紙媒体では「短歌研究」2022年9月号の鯨井可菜子による時評で言及されている。



6月23日
丹花ヨムさんによるtweet。
短歌研究新人賞の座談会での斉藤斎藤さんの発言の件でお知らせです。

・誌面の画像部分は削除しました。
・斉藤さんはわたしの誤読だとおっしゃっていましたが、皆様はいかがお読みでしょうか?
短歌研究さんから声明を出すかどうかは今のところ検討ないと電話で聞いています。」


7月20日
「俳句四季」2022年8月号発売。
「特集・誰もが安心できる句座のためにー#MeTooのその先へ」に、高松さんはじめ6名による寄稿を掲載。


7月31日
朝日新聞「短歌や俳句の会のハラスメント 連句人・高松霞さんのもとに届いた声」掲載。



8月13日
下北沢B&Bにて、パンフレット『短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために』刊行記念トークイベント
高松霞×文月悠光×川野芽生×桜庭一樹「安心して書き続けるために」実施。



11月6日 
「短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために」要望書への各団体の回答公開。
併せてプレスリリースを行った関係団体からの反応・返信(短歌研究社は含まれず)を掲載。
要望書を提出した325団体中、回答があったのは17団体。



11月7日 
団体に送付した要望書公開。
プロジェクト「短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために」終了宣言。


みやさとさんによるtweet。
「「この呼びかけに対して多くの結社と横に連携して、結託して回答しない方針」て。想像を絶する地獄」

11月8日
みやさとさんによるtweet。(7日のtweetを引用RTしつつ)
「【補足】:当該TWの「」内は、短歌結社所属の歌人のTWを引用したものです。現在当該TWは削除済みで確認できませんが、情報源の照会を受けたため、発言者のアカウントアイコンを伏せた上で画像を添付します。」

 画像添付されたtweetの内容は以下の通り。
「この呼びかけに対して多くの結社と横に連携して、結託して回答しない方針と聞きました。
 回答有無はともかくとして、何か対策できるやうにはする必要があるとは思ふのですが。」

11月21日
「短歌研究」2022年12月号発売。
企画「2022年の記憶」で、北山あさひさんによる「書き留めておきたいこと」でプロジェクト「短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために」が言及される。



2023年

1月13日(金)
短歌研究社が「短歌の場でのハラスメントを考える」プロジェクトを立ち上げ、体験談を募集するオンラインフォームをTwitterにて案内。

「【短歌の場でのハラスメントを考える・アンケートのお願い】
月刊誌「短歌研究」4月号では、歌壇におけるハラスメントやジェンダーギャップ等について特集します。現状と現場の声を共有し、よりよい「短歌の場」へ繋げていくためのプロジェクトです。」(午後6:46)

「つきましてはみなさまから、体験談などを募集したく、アンケートを作成いたしました。よろしければご協力のほど、お願いいたします。詳細はリンク先をご覧下さい。」

 ・回答期間は2023年2月20日(月)24時まで。
 ・「掲載可」とした回答は、編集部およびプロジェクトメンバーで検討の上で、3月21日発売の「短歌研究」4月号に掲載予定。また、4月21日発売の「短歌研究」5、6月合併号では、専門家による分析を行う予定。
 ・「短歌の場でのハラスメントを考える」プロジェクトのメンバーは
  北山あさひ、鯨井可菜子、染野太朗、錦見映理子、短歌研究編集部。
 (以上、アンケートフォーム掲載内容より)

丹花ヨムさんが、自身のアカウントが短歌研究社アカウントからブロックされている画像をtweet。(午後7:42)

1月14日
高松さんによるtweet。

「現時点で、短歌研究社からの原稿依頼や協力要請はありません。また、要望書や報告書はプレスリリースとしてお送りしています。3年間のデータを有効活用していただきたかった、というのが正直なところですが、「動き」があるのはよいことだと思います。応援しております。」


1月21日 
「短歌研究」2月号発売。
「短歌の場でのハラスメントを考える」プロジェクトによるハラスメント特集及び体験談の募集について掲載。
概要はアンケートフォーム掲載内容と同様。

丹花ヨムさんによるtweet。
「短歌研究さんがブロック解除していました。ご連絡はありませんでしたので、何をお考えなのかは分かりません。心配してくださった方々ありがとうございました。」


1月23日(月) 
高松さんによるtweet。短歌研究社と高松さんのメールやり取りの抜粋画像を添付。

「短歌研究編集部より企画「短歌の場でのハラスメントを考える」の原稿依頼をいただきました。内容は「短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために」を立ち上げた動機について。3年間様々な媒体で発信し尽くした題材だったため、対案として編集長との対談を申し入れたところ却下されました。(1/3)」

「「誌面構成の都合などありまして、難しいという結論に至りました」とありますが、私の原稿掲載ページを使えばよい話です。また、私からのメール「企画について周囲の協力を仰ぐ前に、ご自身の行動について説明責任があるのではないでしょうか」については触れられていません(2/3)」

「短歌研究「短歌の場でのハラスメントを考える」の企画者のみなさん、一体なにが目的なのですか。誰が責任者なのですか。当事者は歌人であり、自分たち編集者・企画者ではないと思っているのではないですか。そのような企画になんの意味があるのですか。(3/3)」

原稿依頼は短歌研究編集部とプロジェクトメンバーの連名にて送付されている。
 原稿内容は高松さんの「活動について」「始めたきっかけや動機」について」(後述の1/26のtweet参照)

・画像添付された短歌研究社の返信メール(抜粋)

 「ご提案いただきましたインタビューについてさまざまに検討いたしましたが、
  誌面構成の都合などありまして、難しいという結論に至りました。
  メンバー一同、高松さんのプロジェクトはよく存じており、非常に重要な活動だと考えております。
  今回の特集のなかでも、さまざま触れさせていただくことになると思いますので、
  出来上がりましたらご高覧いただければ幸いです。
   (中略)
 「短歌研究」の読者はインターネットやSNSにあまり馴染みのない方が多く、
  おそらく高松さんたちのこれまでの、また現在進行形の活動というのをあまり知らないのが現状でして、
  さまざまな立場の読者にぜひ教えていただければと考えた次第でございました」

  
1月26日 
高松さんによるtweet。「短歌の場でのハラスメントを考える」プロジェクトからの原稿依頼文書の画像を添付。

「短歌研究は、自らの加害を追求される覚悟がないなら、ハラスメントに関する特集を組むべきではありません。私への依頼状はプロジェクトメンバーの連名で来ています。編集長との対談を提案した際には「メンバーと検討します」という返信が来ています。なぜ誰も発言しないのですか。」

「短歌研究「短歌の場でのハラスメントを考える」プロジェクトメンバーのみなさん、この企画はパフォーマンスなのではないですか。私のような個人の発言などとるに足らないものだと思っていませんか。そんな姿勢で読者からハラスメント体験談を集め、それを主軸にして特集を組もうとなさっているのですか」


1月30日
高松さんによるtweet。(1月26日のtweetを引用RT)

プロジェクトメンバーはいい人たちだから非難しないであげてほしい、というDMがどしどし届いており、なんていうか、そういうところなんじゃないですかね。」 


2月1日
高松さんによるtweet。

「【教えてください】短歌の世界でのハラスメントに関する事例をごく簡単な年表にします。2019年加藤治郎氏による「ミューズ」発言、2022年斉藤斎藤氏による「安牌」発言、他にもこれがあったよ、というものをリプライで教えてください。#短歌 #ハラスメント #metoo」(午後0:41)

 ※『2019年加藤治郎氏による「ミューズ」発言』とは、2019年2月、Twitterで加藤が女性歌人をミューズと評した件を指す。詳細は以下を参照。一部ショッキングな内容が含まれるので注意。
  →加藤治郎さん、あなたは文章が読めない(中島裕介)→ https://yukashima.hatenablog.com/entry/kato_literacy17
   氷山の一角、だからこそ。(濱松哲朗)→ https://blog.goo.ne.jp/sikyakutammka/e/84e8673d34d44584738d89dbefc995bc

 ※『2022年斉藤斎藤氏による「安牌」発言』とは、短歌研究新人賞選考座談会での発言を指す。

「【拡散希望】短歌の世界の、直近のハラスメントにまつわる事例についてまとめました。#短歌 #ハラスメント #MeToo (添付画像あり)」(午後6:01)

「歌人から「短歌はハラスメントを内在して生きます」と言われたら、私は「そうですか」としか言えない。私にできるのはここまでです。展開させるのも、しないのも、短歌の人々が選択すればよいと思います。」(午後8:53)

私はプロジェクトでセクハラ被害者の声をじかに聞いちゃってたから、どうしても「なんとかしてあげたい」って思っちゃったんだけど、歌人の大多数が「(比喩として)RTもいいねもできない」だったら、ここからはまじで私にはなにもできんよ、もう無理です、あなた方の無視には疲れました!」

「結社から返ってきた「無回答」は、誰が作ったのか。疲れた。本当に疲れました。」

2月6日
高松さんによるtweet。(2月1日の、短歌の世界でのハラスメントに関する事例を教えてくださいというtweetへのリプライへの引用リプライ)
「情報ありがとうございます。ですが短歌の世界のハラスメントとは距離を置くことにしました。こちらにまとめていただいたので、ご覧いただければ。(リンク先は本記事)」



修正履歴
20230206 
20230206の高松さんのtweet、20221107及び20221108のみやさとさんのtweetを追記しました。